米上院最長、更新 バード議員、在職1万7327日 9期目挑戦へ
河成鎮之 2006/06/14
米民主党のロバート・バード上院議員(88)(ウェストバージニア州選出)の上院在職日数が12日で1万7327日となり、2003年に引退したストロム・サーモンド元上院議員の記録を抜いて、上院(任期6年)では史上最長となった。
バード議員はアイゼンハワー大統領時代の1958年に初当選し、以後8期連続で当選。今年11月の中間選挙にも、前人未到の9期目をめざして出馬を予定しており、再選が有力視されている。上院歳出委員会の重鎮として、地元ウェストバージニアのために毎年巨額の予算を獲得することでも知られている。
同議員は、海外からの不当廉売を防ぐことを目的にした「バード法」の提案者。同法は07年10月に廃止が決まっている。
下院(同2年)では、50年以上務めた議員がいるほか、95年に死去したホイッテン議員は53年間在職した。
メキシコ国境に州兵派遣決定 米議会などから批判続出 効果疑問視する声も
河成鎮之 2006/05/19
米国に流入する不法移民の取り締まりを強化するため、ブッシュ米大統領が決定した州兵6000人のメキシコ国境への派遣に対し、米議会などから批判が相次いでいる。ハリケーン対応、イラクでの軍事作戦に続く州兵への「過剰負担」との指摘に加え、国境警備上の効果を疑問視する声も出ている。
「国境警備には民間を活用し、州兵は自然災害など本来業務に備えるべきだ」「兵力が薄く延びきっている。いずれ徴兵制が必要になるのではないか」――。
17日の上院歳出委員会国防小委員会では、民主党議員らから、州兵の国境警備への投入に次々と懸念が表明された。
ラムズフェルド国防長官は、初年度に派遣される6000人は州兵全体44万5000人の2%以下に過ぎず、兵力配置上の問題はないと反論。「軍が不法移民の逮捕・拘禁に関与することはない」とも述べ、州兵は国境警備要員が増強されるまでの「つなぎ」として、輸送やフェンス建設などの後方支援にあたることを強調した。
今回の州兵派遣に高い関心が集まっている背景には、米軍のイラク駐留が長引いていることがある。
州兵は通常、各州知事の指揮下で国内での治安維持や災害救助にあたっているが、戦争など国家的な緊急事態の際には、大統領命令で連邦軍の補充戦力として動員される。実際、現在のイラク駐留米軍13万3000人のうち、州兵・予備役は2万7000人にのぼる。
17日付米紙ワシントン・ポストは社説で、イラクなどへの度重なる州兵派遣で、昨秋の超大型ハリケーン「カトリーナ」級の国内災害への即応能力がそがれている、と指摘。ブッシュ大統領に厳しい移民政策を求める保守派を満足させるため、州兵が「政治的な道具」にされている、と非難した。
州兵派遣が実際に国境警備の強化につながるか、効果を疑問視する向きもある。州兵は月1回の週末訓練に加えて、年1回の2〜3週間の集中訓練への参加を義務づけられている。
ラムズフェルド長官は、この集中訓練を国境での活動期間に振り替える方針を表明したが、戦略国際問題研究所(CSIS)のクリスティン・ウォーマス上級研究員は、「2週間ごとに人が入れ替わる。国境警備を強化する上で最も効果的な方法とは言えない」と指摘する。
米不法移民規制法案 上院が修正案可決 メキシコ国境に600キロフェンス建設
河成鎮之 2006/05/18
米上院は17日、不法移民の米国流入を阻止するため、対メキシコ国境に全長約600キロの3層フェンスを建設するとした不法移民規制法案の修正案を賛成多数で可決した。ブッシュ大統領が先に発表した「包括的移民政策」の具体化の一環。完成すれば、既存の110キロに加え全長約3200キロに及ぶ米・メキシコ国境の2割が物理的な壁で「分断」され、米国の入国規制強化の象徴となりそうだ。
上院は同時に、すでに入国している不法移民のうち特定の犯罪歴をもつ者の市民権取得を禁じる修正案を可決する一方、一部保守派が求めていた不法移民全員の市民権取得の道を閉ざす修正案は否決した。
米下院は2005年末、不法滞在を重罪とし、上院修正案より長い約1100キロのフェンスを建設する法案を可決しており、今後、上下両院で協議する。
一方、ラムズフェルド国防長官は17日、上院歳出委員会小委員会で証言し、不法移民取り締まり強化のため国境地帯に展開する6000人の州兵について、「総勢40万人強の州兵の2%以下に過ぎない。対テロ戦争や国内災害対応に影響はない」と強調した。また、2年目以降は派遣州兵を3000人に半減させる方針も明らかにした。
米港湾管理をUAE企業が断念 議会反発で
河成鎮之 2006/03/11
アラブ首長国連邦(UAE)の国営会社「ドバイ・ポーツ・ワールド(DPワールド)」は9日、ニューヨークなど米主要6港の施設管理業務を行うことを断念すると発表した。UAE企業による米国の港湾管理にはテロへの懸念があるとして米議会が強く反発し、ブッシュ大統領と対立していた。
DPワールド社はこれまで6港の施設管理を行っていた英企業を買収することになっていたが、9日の発表で「米国での業務を完全に米企業に移転する」と表明した。
下院歳出委員会は8日、買収を阻止する修正条項を承認、上院でも同様の法案が検討されていた。
大統領は拒否権もちらつかせて法案阻止を表明していたが、UAE側の買収断念で議会との対立はひとまず回避された。しかし、大統領は10日、「この問題が中東の友人や同盟国にどう伝わるか懸念している」と発言。また、米通商代表部(USTR)は同日、来週にも予定されていた自由貿易交渉を延期すると表明し、早くも外交への影響が出ている。
「アラブの会社に港湾管理委託イヤ!」 米下院、強硬反対 大統領と対立深刻化
河成鎮之 2006/03/10
米下院歳出委員会は8日、ニューヨークなど六つの米主要港の施設管理をアラブ首長国連邦(UAE)の国営会社に委託することを阻止する修正条項を62対2の圧倒的多数で可決した。修正条項は来週にも本会議にかけられ採択される可能性が高い。上院でも同様の修正条項を提出する動きが出ている。議会の動きはテロを懸念する世論の高まりを受けたもので、「UAEはテロとの戦いの盟友」とするブッシュ大統領と議会の対立が一層深刻化するのは避けられない情勢となった。
修正条項はイラクでの米軍駐留費などの補正予算案に付加されたもので、ジェリー・ルイス歳出委員長(共和)は修正条項の目的について、「米国の港湾の安全を米国人の手に確保しておくため」と説明した。
この問題は、6主要港の港湾管理を行っていた英国の会社をUAE国営会社「ドバイ・ポーツ・ワールド」が買収することに関し、一部の議員が、UAEを舞台に同時テロの資金調達が行われたことや、UAEがアフガニスタンのタリバン政権を承認していたことなどに懸念する声をあげ、表面化した。
「安全保障上問題なし」として買収を承認していたブッシュ大統領は、買収を差し止めればUAEだけでなく、「世界の米国の友人にあやまったシグナルを送る」と述べ、買収を阻止する法案には就任以来はじめて拒否権を発動する姿勢を示している。
港湾管理会社を買収するのがUAE国営会社という理由で阻止しようとする議会の動きには、アラブ系米国人団体から「反アラブ意識のあらわれ」と批判の声があがっている。また、港湾管理を外国の会社が行うのは業界内では通常のことであり、ウォール・ストリート・ジャーナルなど大手紙の一部も社説で大統領支持を打ち出した。
しかし、米国人の間のテロに対する恐怖感はきわめて強く、5日に行われたワシントン・ポスト紙とABCテレビの共同世論調査によると、UAE国営会社による港湾管理に反対する人は全体の70%にのぼり、容認派の23%を圧倒的に引き離し、大統領の支持率にも跳ね返る結果となっている。11月の中間選挙を前に世論の動向に敏感な議会では、共和、民主両党議員とも大統領と対立しても、買収阻止に動くという雰囲気がしだいに支配的になりつつある。
米共和党下院議員、収賄認め辞職
河成鎮之 2005/11/30
米カリフォルニア州選出のランディ・カニンガム連邦下院議員(63)=共和党=は28日、同州の連邦地裁で、複数の軍需関連企業から240万ドルを受け取っていたことを認め、辞職した。下院歳出委員会委員という立場を利用して業者に便宜を図っていた疑いで、連邦捜査局(FBI)などが捜査していた。(ロサンゼルス支局)
コーラン冒涜 ライス米国務長官「確認されれば適切処置とる」
河成鎮之 2005/05/14
キューバのグアンタナモ米軍基地でイスラム教の聖典「コーラン」を冒涜(ぼうとく)する行為があったとされる問題で、ライス米国務長官は12日、「米国はコーランをぞんざいに扱うことを決して容認しない」として、調査で事実関係が確認されれば「適切な処置をとる」と述べた。同日行われた上院歳出委員会で、特に発言を求めて釈明した。
ライス長官は、「われわれの意図を誤ってとらえた人々の扇動に乗らないで欲しい」と暴力行為の停止を求めた。
北朝鮮のミサイル迎撃 「米、7分で決断」 米司令官証言
河成鎮之 2005/05/13
戦略核やミサイル防衛網を運用する米戦略軍のジェームズ・カートライト司令官は11日、上院歳出委員会の国防小委員会で証言し、北朝鮮の長距離弾道ミサイルがアラスカ州やハワイ州を標的にした場合、迎撃の決断をするまでの時間は約7分だと指摘、この時間内に大統領や国防長官、軍司令官と対応を協議するのは困難だとして、意思決定のルール作りを急いでいることを強調した。
また、2004年に始まった実戦配備では、アラスカ州の米軍基地フォートグリーリーに6基の迎撃ミサイルが設置されるなどしたが、この初期配備についてカートライト司令官は、「限定的な脅威に対する基本的な備えで、その脅威とは北朝鮮から飛来する2〜5発の弾道ミサイルだった」と述べた。
イラク総選挙、米政権内で不一致? 「全域で」「できる地域で」発言
河成鎮之 2004/09/26
イラク政策をめぐるラムズフェルド米国防長官の発言が波紋を呼んでいる。米大統領選挙で民主党候補のジョン・ケリー上院議員がイラク政策の批判に重点を置いていることもあり、ブッシュ陣営はつけ込むすきを与えたくないところだが、二十四日にはアーミテージ国務副長官がラムズフェルド長官と異なるニュアンスの発言をした。「政権内不一致」の印象も与えた格好で、大統領選の論戦でもケリー陣営の攻撃材料になりそうだ。
アーミテージ副長官は二十四日、下院歳出委員会で、来年一月に予定されるイラクの国民議会選挙について、「(治安上)問題のある地域も総選挙に参加できるよう最大限の努力をしなければならない」と述べ、全域で選挙を実施すべきだとの考えを強調した。
イラクの選挙については前日の二十三日、ラムズフェルド長官が上院軍事委員会で「選挙のできない地域があったとしても、残りの地域で選挙を実施できる。人生に完全なことなどない。やらないよりましだ」として「部分選挙」の可能性を示唆したばかり。
アーミテージ副長官も証言の中で「人生に完全なものなどない、というのはその通りだ」と述べ、長官の見解に一定の理解は示したが、「部分選挙」も許容できるとの立場とは一線を画した格好だ。
イラク総選挙は「全土で実施を」/米国務省・アーミテージ副長官
河成鎮之 2004/09/25
米国務省のアーミテージ副長官は24日、下院歳出委員会で、来年1月のイラク総選挙について、「(治安上)問題のある地域も総選挙に参加できるよう最大限の努力をしなければならない」と述べ、イラク全域で選挙を実施すべきだとの考えを強調した。
想像絶する忌まわしさ 虐待写真、議会に公開 米国防総省、新たに1600点
河成鎮之 2004/05/13
米兵らによるイラク人虐待問題で、米国防総省は十二日、虐待の様子を撮影した新たな写真やビデオ計約千六百点を上下両院議員に開示した。イラク人男性が同性愛や自慰行為を強制されているシーンや、イラク人女性が胸をはだけさせられたシーン、さらに遺体の前でポーズを取る米兵や、米兵同士の性行為などが撮影されていたとされ、議員たちは一斉に「想像を絶する忌まわしい行為」などと非難した。
議員への開示は、議会内に部屋を設けた上、関係者以外立ち入り禁止にして行われた。上院軍事委員会のジョン・ウォーナー委員長(共和党)は、写真やビデオの内容が米兵に対する憎しみをさらにあおる恐れがあることから、一般公開すべきではないとの見解を表明した。
写真とビデオについて、ビル・ネルソン上院議員(民主党)は記者団に対し、「気持ちが悪くなるような内容で、がく然とした。ビデオから非人間的な(収容者に対する)扱いがわかった」として、これまでにメディアで報じられているもの以上にひどいものだったとの感想を語った。また、これまで報じられた写真に登場した人物の数よりも多くの兵士や関係者の姿が映っていたとも語った。
リチャード・ダービン上院議員(民主党)は、「地獄図だった。上の方の了承なしに、こんなことが起きたとは、信じられない」とコメントした。
一方、ラムズフェルド国防長官は同日の上院歳出委員会小委員会で証言し、虐待の組織性について、「六件の捜査が進んでいるが、より多くの事実が明らかになることは間違いない。虐待問題がどの程度広がっていたのかはわからないが、組織的なものだったと明らかになったわけでもない」と述べ、捜査結果を見守る考えを改めて強調した。
イラク暫定政府の構成「統治評拡大が現実的」/パウエル米国務長官
河成鎮之 2004/04/10
パウエル米国務長官は八日に開かれた上院歳出委員会の外交活動小委員会で証言し、六月末までに予定されているイラクの主権移譲の受け皿となる暫定政府の構成について、「時間的な問題を考慮すると、イラク統治評議会の拡大が現実的であり、現時点では最も注目されていると思う」と述べた。米政府高官が暫定政府の構成について具体的に言及したのは初めて。
イラク復興支援、200億ドル拠出 米議会審議曲折も
河成鎮之 2003/10/04
米政府は、イラク復興支援にいち早く二百億ドル(約二兆二千億円)の拠出を表明し、各国に積極的な負担を求めている。だが、追加予算を巡る米議会の審議では今後曲折が予想されるなど、国内でも難しい問題を抱えているのが実情だ。
米上院歳出委員会は、イラク復興費をはじめ、イラクとアフガニスタンの駐留米軍経費などで、総額八百七十億ドル(約九兆七千億円)に上る二〇〇四年度補正予算案を九月三十日に全会一致で可決した。しかし、法案の上院通過に必要な本会議の日程は、異例の日数を置いた今月十七日を予定している。
その理由は、野党・民主党が「米財政の窮迫を考えれば、イラク復興費の二百億ドルは無償供与ではなく、イラクの石油収入などを返還財源とした借款にすべきだ」などと主張し、本会議までに修正案を出す構えを見せているためとみられる。
補正予算案は最終的に、上下両院の調整にも日数が必要で、成立時期がスペイン・マドリードで二十三日から開かれるイラク復興支援の閣僚会議ぎりぎりにずれ込むことも予想される。
米政府は同会議にコリン・パウエル国務長官とジョン・スノー財務長官を送り込む予定だ。この会議を主導するためにも、事前に補正予算の成立を目指しており、議会で今後、与党・共和党と民主党の駆け引きが激化しそうだ。一方、アメリカの財政制度は、歳出項目ごとの予算法案がいったん成立すると、政府は原則、その予算枠を無期限にいつでも支出できる仕組みだ。日本が単年度主義を取っているのと大きく異なる。
二〇〇四年度補正予算案でも、米政府は、八百七十億ドルを二〇〇七年度までの四年間に必要な総合計と説明。ただ、法的には、さらに後年度に予算枠を振り向けることも可能だ。このため、米政府がイラク復興支援で毎年、実際にどれだけ支出するかは明確ではない。
イラク新決議案「週内提出困難」/アーミテージ米国務副長官
河成鎮之 2003/10/02
アーミテージ米国務副長官は30日、下院歳出委員会外交活動小委員会で証言し、イラクに多国籍軍を派遣するための新たな国連安全保障理事会決議案について、「(今週中の提出は)おそらくない。関係国の間に多くの違いがあり、提出できる状況にはない」と述べた。
対イラク・アフガン経費 870億ドルの支出を可決/米上院委
河成鎮之 2003/10/01
米上院歳出委員会は三十日、ブッシュ米大統領が求めている、イラクとアフガニスタンの駐留米軍経費や復興費にあてる八百七十億ドル(約九兆七千億円)の支出を全会一致で可決した。ただ、その内訳については、イラク復興費に充てられる二百三億ドル(約二兆二千億円)を借款にすべきだとの意見が与党・共和党からも出ており、可決されるまでには紆余(うよ)曲折がありそうだ。
ラムズフェルド米国防長官、イラク追加予算を議会に承認要請
河成鎮之 2003/09/25
ラムズフェルド米国防長官は二十四日、上院歳出委員会の公聴会で、ブッシュ大統領がイラク統治で議会に要請した八百七十億ドルの追加予算について、「米国の安全と世界の安定のために必要だ」と訴え、承認を強く求めた。